佐々木優花さん
Food and Smile!2代目代表の佐々木優花さん。宮城学院女子大学を卒業してからも、管理栄養士としての知識を活かし、Food and Smile!の活動のサポート、そして食の防災に取り組み続けています。2023~2024年カレンダー製作にあたっては監修としてサポートいただき、2025年カレンダーでは、鯖の水煮缶を身も汁も余すことなく使えるレシピ2品を考案いただきました。
佐々木優花さんにお聞きしました!
○佐々木優花さんについて
2019年の3月に管理栄養士の資格を取得しました。宮城学院女子大学Food and Smile!(FAS)のOGで、在学当時はFAS代表も務めました。中学生で経験した東日本大震災の時、食事に苦労したことは今でも強く印象に残っています。その経験から、大学で食について学んだことを活かして、いざという時も可能な限り健康的に、心をはげます食事を普及・啓発していきたいと思うようになりました。現在は母校の助手として働いていますが、そのかたわら自分自身も防災と食のつながりを専門とする管理栄養士として、レシピの提供や防災講話の講師等活動しています。
○みやぎ発防災レシピカレンダー2025に提供いただいたレシピはどのように考案されましたか?
レシピを考え始めるときに、あたたかくて、普段の食事にも取り入れられるようなものにしたいと考えていました。そのとき自分がハマっていたのが、クッキングシートでお野菜などを包む蒸し野菜です。日々料理をする中で、この包み蒸しはフライパンが汚れにくくて、出来上がったらこのままお皿に盛れるからお皿もあまり汚れなくていいなと思っていました。長期間常温で保存ができる缶詰(さば缶)を使って、大人も子供も食べられるような美味しい味付けで…でも栄養バランスも気をつけたい。見た目も普段の食事と同じようにして、ザ・災害食!にならないように…と、考えをじわじわまとめていって「さばのトマトチーズ煮込み」が完成しました。このレシピはさば缶の身だけを使うレシピでした。そこから缶詰の汁は、さばの旨味と栄養がたっぷりで捨てるのは勿体ない!と思い、アレンジ無限大のスープも一緒に考えました。大人も子供もみんな食べれて、普段も活用してもらえるレシピを目指していきたいので、簡単で工程が少ないけど、美味しく見た目も綺麗に見えるように具材の量などを調整したり、栄養バランスも大切にして、レシピを実践したいと思っていただけるように考えながら考案を進めました。
レシピを考えるときは、普段の料理の中で「あ、これいいな」と思ったものやひらめきをまとめていくようにしているので、普段から料理や防災の情報にアンテナを立てるようにしています。
○みやぎ発防災レシピカレンダー2025の製作において印象に残っていること
試食会などで自分の作った料理を食べていただいた時はとても緊張しました…!美味しいかな、自分も作ってみたいと思ってもらえるかな、どんな感想が来るかな、とドキドキでした。カレンダー制作の関わりでは、今回初めてレシピを提供する側に回ったので、この緊張感を学生さん(FAS)はいつも感じていたんだな、すごいと思ったり(笑)。
いざ食べた感想をいただいて、「美味しかった」、「子どももおいしく食べれる味」、「洗い物が少なくできて良い」…など、レシピ作成で意図した部分がちゃんと伝わって、おいしく食べていただけた時、本当にホッとしました。
また、カレンダーが出来上がるまでの間も、ご予約をいただいた方のメッセージなどから毎年楽しみにしてくれている方がいること、レシピを参考にしてくださっている方がいて、まさに生活の一部としてカレンダーが取り入れられていることを知り、そのカレンダー制作の一員として加われていることに改めて嬉しさと責任感を感じました。
○カレンダーに関心を寄せてくださったみなさんへのメッセージ
いざという時、一番に守るべきものはもちろん命ですが、その命を作るのに欠かせないものが食事です。食事とは本来とても楽しいもので毎日の生活に欠かすことはできません。また、いざという時ほど、普段から慣れた事・ものが近くにある事が心のゆとりに繋がります。このカレンダーをお家の中にかけて、毎月のレシピに触れていただきながら、日々の防災にお役立ていただけたら、レシピを提供した一員としてとても嬉しく思います。
カレンダー未掲載☆佐々木優花さん考案レシピ
「具だくさんカレー蒸しパン」
具沢山の蒸しパンは、普段のおやつや朝食にぴったり!いざという時も簡単に作れて◎カレー粉を倍(4g)にすれば、カレーの風味をしっかり感じられます。
材料(ポリ袋1袋分(約4人分))
たまご1個、牛乳1/2カップ(100ml)※牛乳の量はホットケーキミックスの指示に準ずる、ホットケーキミックス1袋(150g)、カレー粉2g、ミックスビーンズ(そのまま食べられるタイプ)30g、ウインナーソーセージ2本
作り方(所要時間・約40分)
❶ポリ袋の中に、たまご、牛乳を入れ、全体が均一になるように良くもみ混ぜる。
❷①にホットケーキミックスとカレー粉を入れ、さらに良くもみ混ぜる。
❸②にミックスビーンズと、ウインナーソーセージはキッチンばさみで5〜8mmの幅に輪切りしながら入れ、さらによくもみ混ぜる。
❹全体が混ざったら③のポリ袋の空気を抜き、生地に近いところをしっかり結ぶ。
❺なべに湯を沸かし、④を静かに浮かべる。
❻袋の中の生地全体が湯に浸かるように、時々袋を転がしながら、20分加熱する。※やけどに注意!
❼火を止めてなべにふたをし、15分蒸らして完成!
※生焼けの部分があった場合は、新しい袋に生地を全て入れ袋を縛り、再度5分ほど加熱してくだ
さい。
※フライパンなどの浅いもので煮込む時は、火が通りにくいので袋2枚に生地を分けて調理してください(加熱時間はレシピ通りでOK!)。
栄養成分表示(1人分:1/4量)
エネルギー 212kcal、炭水化物 31.5g、脂質 7.1g、たんぱく質 7.3g、食塩相当量 0.6g、
ビタミンB1 0.11mg、ビタミンB2 0.13mg、ビタミンC 3mg
ポリ袋クッキングのポイント
★耐熱温度の高い「高密度ポリエチレン(半透明のもの)」の食品用袋を使いましょう。パッケージに「湯せん調理可」と書かれているものの使用がおすすめです。
★火力は鍋底からポコポコと泡が出る状態をキープします。
★ポリ袋が鍋底や鍋肌につかないように注意しましょう。袋が溶ける場合があります。
★熱が全体に通るように、時々ポリ袋をひっくり返してください。
★お湯の量は鍋の2/3程度。加熱中に減ってきたら熱湯を追加して、一定の量を保つようにしてください。